任意整理の返済が払えないときは?対応方法と自己破産への切替

任意整理で返済を続けていても、失業や減収、病気、生活費の増加によって、約束した金額を払えなくなることがあります。「一度整理してもらったのに、もう相談できない」と考える必要はありません。
**任意整理の返済が難しくなったら、滞納を重ねる前に、まず依頼した弁護士・司法書士へ連絡してください。一時的な支払日の調整、再和解、個人再生や自己破産への切替など、状況に応じた対応を検討します。**
いずれも自動的に認められるものではなく、現在の家計と和解内容の確認が出発点です。
最初に確認するのは「一時的な不足」か「返済計画の限界」か
同じ「今月払えない」でも、給料日の変更で数日遅れる場合と、失業して今後の収入が見込めない場合では、必要な対応が異なります。
現在の状況 | 相談で確認する方向 |
入金日がずれ、支払いが数日遅れる | 支払日の調整を申し入れられるか |
一時的な医療費などで今月だけ不足する | 不足分の解消時期と、支払方法の変更余地 |
減収が続き、毎月不足する | 再和解や手続き変更の必要性 |
失業等で返済原資がなくなった | 自己破産等を含めた生活再建の方法 |
返済のために別の借入れをしている | 家計全体と新たな債務を含む見直し |
「来月なら払える」という見込みは、入金予定と金額で確認しましょう。ボーナスや臨時収入がまだ確定していない場合は、確実に入る収入と分けて考えます。
払えないとわかったときの3つの行動
依頼先へ、支払日前に連絡する
依頼先には、払えない理由、不足額、次に入金できる見込みを伝えます。まだ滞納していなくても相談できます。連絡せずに振込みだけを止めると、支払管理をしている依頼先が事情を把握できません。
すでに業務が終了している場合や、当時の依頼先へ相談できない事情がある場合は、和解書と返済履歴を用意し、別の弁護士へ相談してください。現在も委任契約が続いている場合は、その事実も伝えます。
和解書の期限の利益喪失条項を確認する
任意整理の和解書には、一定の滞納が生じた場合に分割払いを続ける利益を失い、残額の一括請求を受ける旨の条項が設けられていることがあります。これを「期限の利益の喪失」といいます。
条件は和解書ごとに異なります。「2回までは大丈夫」というのが一般的な契約条項です。しかし、一般論で判断しないでください。遅延損害金や督促への対応も、実際の条項を見て確認します。
借金全体と家計を作り直す
以前の整理対象だけでなく、その後に増えた借入れ、税金や家賃の滞納、家族からの借入れも整理します。ある債権者への支払いを別の借金で補っていると、返済を続けているように見えても総額が増える場合があります。
手取り収入から、住居費・食費・光熱費・医療費など必要な生活費を引きます。毎月ではない支出も月割りで見込み、残った金額を返済に使えるか検討しましょう。
再和解で月々の返済を変更できることはある?
再和解は、いったん合意した返済条件について、債権者と改めて交渉することです。返済期間や毎月の金額を見直せる可能性はありますが、債権者に応じる義務があるわけではありません。
これまでの返済実績、残高、滞納の理由、今後の返済能力などが判断材料になります。期間を延ばしても完済できない場合や、条件変更に応じてもらえない場合もあります。追加の依頼費用も含め、再和解をする意味があるか確認します。
例えば、残額120万円を残り24回で払う計画なら、単純計算で毎月5万円です。家計から出せる金額が2万円に減っていれば、現在の計画は続けられません。仮に60回へ変更できれば月2万円になりますが、**60回への変更や利息等の免除が認められるという意味ではありません。**これは家計を比較するための仮定です。
任意整理から自己破産への切替を検討する場合
任意整理をしたことがあるだけで、自己破産ができなくなるわけではありません。収入や財産を踏まえて、一般的・継続的に支払いができない状態かを確認します。免責が認められるかも別途審査されます。破産法2条・15条・252条
切替では、現在の残債務だけでなく、以前の和解内容、その後の返済、新たな借入れの経緯などを説明します。裁判所を利用するため、費用や必要書類、財産・保証人への影響も変わります。
一部の債権者や家族にだけ返済してから相談する、借入れを隠すといった行動は避けてください。返済を止める時期や範囲は、生活費の支払いと区別し、弁護士の説明を受けて判断します。
収入が続く場合は、個人再生も検討対象になる
任意整理では完済が難しくても、継続的な収入があり、法律上の条件を満たす場合には、個人再生を検討できることがあります。裁判所に認められた再生計画に従い、一定額を返済する方法です。
ただし、借金が必ず一定割合に減るわけではありません。債務額や財産の価値、手続きの種類などから最低限必要な返済額を計算します。住宅ローンがある方は、その返済を含めて生活が成り立つかも確認します。裁判所の個人再生の説明
「家を残したいから個人再生」と結論を先に決めず、利用条件と返済の見通しをセットで検討することが大切です。
一括請求や裁判所からの書類が届いた場合
和解後の滞納が続くと、残額の一括請求や裁判手続へ進む可能性があります。訴状や支払督促を放置せず、書類一式と届いた日を依頼先へ伝えてください。
「自己破産を考えている」と債権者に伝えるだけで、裁判や差押えが止まるわけではありません。任意整理時の相談と、現在進んでいる裁判への対応が別に必要かも確認します。裁判所の期限がある場合は、通常の問い合わせと区別してその旨を伝えましょう。
相談へ持っていく資料を、以前と現在に分ける
以前の資料として、和解書、委任契約書、債権者ごとの返済予定表を用意します。現在の資料として、残高のわかる明細、最近の給与明細、生活費のメモを用意してください。以前の計画と今の家計を並べることで、何が変わり、毎月いくら不足しているかが見えます。
書類が見つからないときは、探し終わるまで連絡を待つ必要はありません。依頼先の名称、和解したおおよその時期、今わかる残高を伝え、必要な資料の入手方法を確認しましょう。
よくある質問
一度でも遅れると、必ず一括請求されますか?
一律ではありません。和解書の条項、滞納額、支払いの経緯によって異なります。遅れそうな時点で、具体的な内容を確認してください。
他社から借りて今月だけ払ってもよいですか?
別の借入れで返済を続けると、新たな返済負担が増えます。今月の支払いだけではなく、来月以降の家計が成立するかを先に確認する必要があります。
以前の弁護士へ残っている費用もあります。相談できますか?
相談できます。未払い費用の額、委任契約の継続状況、債権者への返済との区別を伝えてください。新たな手続きの費用も含め、全体を整理します。
払えない理由と、今後の見通しを一緒に整理しましょう
ひやま法律事務所では、任意整理後の返済が難しくなった方の初回相談も承っています。和解書、残高、直近の返済履歴があれば、ご用意ください。再交渉の余地と、手続き変更を検討すべき状況を確認します。
初回相談は無料です。全国からのご相談に対応していますが、受任時の対面面談など、具体的な進め方は予約時にご確認ください。