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養育費の未払いを理由に面会交流を拒否できるか

養育費が支払われないと、面会交流を拒否したくなる気持ちを持つ方も少なくありません。

しかし、養育費と面会交流は法律上まったく別の問題として扱われています。

本記事では、養育費の未払いを理由に面会交流を拒否できるかについて紹介します。

養育費と面会交流の関係

まずは、養育費と面会交流がそれぞれどのような性質を持つのかを説明します。

養育費は義務、面会交流は子どもの権利

養育費は親が子に対して負う扶養義務にもとづくもので、民法766条・877条を根拠としています。

一方、面会交流は子どもが両親双方から愛情を受けて育つための権利であり、親のための制度ではありません。

このように両者は法的な性質が異なるため、一方の不履行を理由にもう一方を拒むという扱いは認められていません。

家庭裁判所の考え方

家庭裁判所の実務では、面会交流を拒まれても養育費の支払義務は消えず、逆に養育費が未払いでも面会交流を拒否する理由にはならないという立場が一貫してとられています。

2026年4月施行の改正民法では、面会交流の名称が親子交流に改められ、子の利益を最も優先して考慮することがあらためて明記されました。

こうした流れからも、養育費と面会交流を交換条件のように扱うことは望ましくないといえるでしょう。

面会交流を拒否できる場合と未払いへの対応

続いて、面会交流を拒否できる場合と、未払いの養育費への対応方法を説明します。

面会交流を拒否できるのは子の福祉を害するおそれがある場合

面会交流を拒否できる正当な理由として認められやすいのは、子どもへの虐待やDVのおそれ、子どもを連れ去られる危険性など、子の福祉を害する事情がある場合に限られます。

単に相手への感情的な不満や、養育費が支払われていないことのみを理由とする拒否は、正当な理由として認められにくいのが実情です。

正当な理由なく面会交流を拒み続けると、慰謝料を請求されるリスクが生じることもあります。

未払いの養育費は別の手続きで請求する

養育費が支払われない場合には、面会交流を拒否するのではなく、内容証明郵便での請求や調停・審判、強制執行といった法的手続きで回収を目指すことになります。

2026年4月施行の改正民法により、養育費債権に先取特権が認められたため、合意文書があれば以前より差し押さえの申立てが容易です。

状況によって取るべき手続きは異なるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ

養育費と面会交流は法律上別の問題であり、養育費の未払いを理由に面会交流を拒否することは原則として認められません。

面会交流を拒否できるのは子の福祉を害するおそれがある場合に限られ、未払いの養育費は別途の法的手続きで請求する必要があります。

養育費や面会交流でお悩みの場合には、ひやま法律事務所へお気軽にご相談ください。