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養育費の差し押さえができる条件と手続きの流れ

養育費が支払われない場合、相手の給与や預貯金の差し押さえによって回収できる可能性があります。

2026年4月に施行された改正民法により、差し押さえの条件が大きく緩和されました。

本記事では、養育費の差し押さえができる条件と、手続きの流れを紹介します。

養育費を差し押さえできる条件

まずは、差し押さえが認められる条件を説明します。

合意書や債務名義がある場合

差し押さえを申し立てるには、原則として公正証書や調停調書などの債務名義が必要です。

債務名義とは、裁判所や公証役場などが養育費の支払いを認めた公的な書面のことをいいます。

しかし、2026年4月1日以降に生じた養育費については、優先的に回収できる先取特権という権利が新たに認められました。

これにより、離婚協議書や合意書などの合意文書があれば、債務名義がなくても、子ども一人あたり月額8万円を上限に差し押さえの申立てができるようになりました。

8万円を超える金額や、2026年3月31日以前の養育費を差し押さえる場合には、従来どおり債務名義が必要です。

取り決めがない場合の法定養育費

2026年4月1日以降に離婚した場合には、養育費の取り決めがなくても、子ども一人あたり月額2万円の法定養育費を請求できる制度が新設されました。

法定養育費にも先取特権が認められているため、支払いがないときは差し押さえの申立てが可能です。

ただし、2026年3月31日以前に離婚したケースでは法定養育費の対象にならないため、従来どおり養育費の取り決めから進める必要があります。

差し押さえの手続きの流れ

続いて、実際に差し押さえを申し立てるまでの流れを説明します。

必要書類の準備

差し押さえを申し立てるには、合意文書または債務名義の写しに加えて、相手の住民票や戸籍の附票など現住所を確認できる書類が必要です。

相手の給与を差し押さえる場合には、勤務先の資格証明書もあわせて準備します。

相手の住所や勤務先が分からない場合には、財産開示手続や第三者からの情報取得手続を申し立てることで、裁判所を通じて調査できる可能性があります。

地方裁判所への申立てから差し押さえまで

書類がそろったら、相手の住所地を管轄する地方裁判所へ差し押さえの申立てを行います。

申立てが認められると裁判所から相手の勤務先や金融機関へ差押命令が送達されます。

債務名義に基づく差し押さえの場合、給与は将来分も含めて継続的に差し押さえられるため、以後は毎月の給与から養育費の支払いを受けることが可能です。

一方、預貯金の差し押さえは差押命令が送達された時点の残高に限られるため、将来分の養育費を差し押さえることはできません。

申立てから差し押さえの実行までには一定の期間を要するため、早めに準備を進めることが望まれます。

まとめ

2026年4月の改正民法により、養育費債権に先取特権が認められ、合意文書があれば公正証書がなくても差し押さえを申し立てられるようになりました。

取り決めがない場合でも法定養育費の枠組みで差し押さえが可能になり、養育費の回収手段は広がっています。

養育費の差し押さえをお考えの場合には、ひやま法律事務所へお気軽にご相談ください。