ひやま法律事務所 > 記事 > > 任意整理の再和解(やり直し)ができるケース・できないケース

債権者との交渉でいったん返済計画に合意が得られたとしても、予期しない出来事によってその計画通りの返済が困難となるケースがあります。そんなときは「再和解」も視野に入れると良いですが、債務者の判断で自由にやり直せるものではありません。

どのような場合なら再和解ができるのか、ここでは「できるケース」「できないケース」を紹介しています。

再和解とは

任意整理における「再和解」とは、一度任意整理で合意した返済計画を変更するため再度交渉を始めることを指します。

任意整理では債権者との交渉により借金の利息をカットしたり返済期間を調整してもらったりする形で和解を成立させます。しかし、和解成立後に病気や失業、収入の減少など、予期せぬ事態により返済が困難になることもあります。理由は人によって異なりますが、このように当初の返済計画の継続が難しくなったときに再和解は必要となります。

再和解ができるケース

再和解ができるのは「債権者が返済計画の再考について同意をしてくれるケース」です。もともと任意整理とは当事者間の合意に基づいて成立するものですので、再和解においても相手方の同意なく返済計画の調整を強いることはできません。

債権者が同意してくれるかどうか、これは相手方の経済状況にもよりますが、次のような場合にはまだ成立の余地があるといえるでしょう。

再和解に同意してもらうために重要なこと

経済状況の悪化が一時的なものであること

一時的に返済が難しくなっているものの、将来的な返済見込みがあると債権者に理解してもらえれば、再和解も受け入れてもらいやすい。

誠意を持って返済の意思を示すこと

「また同じことを繰り返すのではないか」と思われないよう、計画通りの返済ができないことを真摯に反省し、今後の返済計画を具体的に提示することで債権者に誠意を伝える。

一部でも返済を続けていること

計画通りの返済が難しくても、これまでは約束通りに義務を果たしてきたこと、今でも可能な範囲で返済を続けていることで、債権者に再和解を受け入れてもらいやすくなる。

 

ただ、当然ですがこれらのケースはあくまで一般的なものであり、個々の状況によって結果は変わってきます。たとえ経済状況の悪化が債務者の責任によらず、真摯な対応、返済実績があるときであっても、債権者が頑なに再和解に応じてくれない可能性もあります。

再和解ができないケース

再和解ができないのは「債権者が返済計画の再考について同意をしてくれないケース」です。次のような場合、成立の可能性は低くなるでしょう。

再和解への同意が難しくなる事由

債務者の経済状況が再建困難な状態にある

返済計画を少し見直した程度では完済の見込みが立たない場合、債権者は再和解に応じない可能性が高い。

債務者が何度も返済を延滞している

何度も返済を延滞していると債権者からの信用も失ってしまう。「再和解をして返済します」という意思を示しても債権者は信じることができず、取り合ってくれない可能性が高い。

債務者に悪意があると判断されている

不誠実な対応が多く、過去に何度も債務整理を行っているなど、「初めから完済するつもりがなく、債務整理を繰り返す予定だったのではないか」と判断されるような場合は再和解に応じてくれない。

再和解が難しい場合の対処法

再和解が難しい場合はまず「専門家等への相談」を行いましょう。

法テラスや国民生活センターなどの専門機関に相談することもできますし、弁護士などの専門家を頼ることもできます。弁護士であればアドバイスをするだけでなく、債務者の代理人となって債権者との交渉を進めることも可能です。

また、専門家等の意見も参考にしつつ、「任意売却」「個人再生」「自己破産」などの選択肢についても検討しましょう。

 

  • 任意売却
    任意売却は、自宅を売却した代金を債権者に分配することをいう。住宅ローンを抱えているときは自宅を手放すことで借金が減額できる可能性もある。
  • 個人再生
    裁判所を通して借金を大幅に減額しその後3年~5年で返済していくための手続き。住宅ローンが残っている場合でも自宅を残せる可能性がある。
  • 自己破産
    財産を清算し、そこから債権者に配当していくための手続き。自宅などの財産を失うことになるが、債務の全額を免責してもらえる可能性がある。

 

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