ひやま法律事務所 > 過払い金 > 過払い金請求のメリット・デメリット

過払い金がどのようなものなのかといった説明については、「過払い金が発生する仕組みとは?」という記事にて解説しました。
では、過払い金返還請求にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

 

◆過払い金請求のメリット


●払い過ぎた利息が返還される
過払い金の特徴でもあり、最大のメリットは払い過ぎた利息が返還されることがあげられます。

過払い金が発生しているかについては、債務整理を行う際に、専門家が確認をします。

 

●返還されたお金は自由に使える
過払い金が返還されると、その使い道については制限がありません。
生活に困っているのであれば、生活費に充てることもできます。
もっともポピュラーな利用方法としては、任意整理や個人再生であれば返済に利用することもできますし、弁護士への報酬等に利用することも可能となっています。

 

●周囲に知られるリスクが低い
過払い金の返還請求のみを支払う場合であれば、手続きが家族や会社に知られるリスクがかなり低いと言えます。

もっとも、個人再生や自己破産をおこなった場合には、国の機関紙である「官報」に個人情報が掲載されるため、確率は低いとはいえ会社や家族に知られる可能性が少なからずあります。

しかしながら、過払い金返還請求は官報への掲載がないため、知られる可能性がさらに低くなります。
ただし、過払い金請求を裁判によって行なった場合には、仕事やプライベートに支障をきたすおそれがあるため、家族や裁判所に知られてしまう可能性があります。
また、弁護士へ依頼せずに個人で返還請求をした場合には、貸金業者や裁判所からの郵送物が自宅宛に届くため、万が一同居人が郵送物を見てしまった場合には、知られてしまう可能性があります。

個人再生や自己破産を利用する中で過払い金請求を行った場合には、上記の通り官報に掲載されてしまうため、こちらも家族や会社に知られてしまう可能性がありますが、官報は一般の方が目にする機会はあまりないため、可能性があるというだけで、そこまで高いものではありません。

 

●借金を完済している場合には、ブラックリストの掲載リスクがない
借金を完済後であれば、過払い金請求をしただけでは、ブラックリストに載ることはありません。
ブラックリストとは俗称であり、本来は信用情報機関に事故情報が登録されることを指します。

ブラックリストに載ってしまった場合には、新たな借入やクレジットカードの新規作成、分割払いの利用ができなくなってしまいます。

しかしながら、完済後であればあくまで払い過ぎた利息を返してもらうだけに過ぎないため、ブラックリストに載ることはなく、上記のデメリットが発生することはありません。

 

◆過払い金請求のデメリット
●借金の返済中に過払い金請求をすると、ブラックリストに掲載される
借金の返済中に過払い金請求を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。
その理由としては、借金返済中の過払い金請求は、債務整理手続きの中で行われるものであることから、信用情報機関への事故情報の登録が避けられないからです。

もっとも、過払い金請求をした結果、借金が残る場合と残らない場合で、情報の登録期間が変わります。

利息の引き直し計算を行い、借金がなくなると同時に過払い金が発生するようなケースでは、手続き期間中の約1年間は事故情報が登録されることとなります。

利息の引き直し計算の結果、借金が減額されるものの残債務が残るケースでは、手続き期間中を含め約5年は事故情報が登録されることとなります。

 

●過払い金請求を行った貸金業者からの借入ができなくなる
信用情報機関から事故情報の登録が抹消されれば、再び借入をすることが可能となりますが、同じ貸金業者からの借入は困難になる可能性があります。

その理由としては、過払い金請求をされた貸金業者が、社内で独自に管理している社内ブラックリストに登録をする可能性があるからです。
社内ブラックリストは、信用情報機関のものとは違い、半永久的に情報が保存されると考えられています。

また、ブラックリストなるものが存在していなかった場合であっても、過去の取引履歴から、信頼に欠けると判断されてしまい、審査に落ちてしまうということが考えられます。

 

●時効が成立すると返還請求ができなくなってしまう
過払い金は、債権者との最後の取引から10年が経過すると時効が成立し、返還請求権が消滅してしまいます。

最後の取引とは、債務の返済のことを指します。
ここで注意しなければならないのが、すでに借金を完済してしまっている方です。
借金を完済してしまっている場合には、その後に借入も返済も行なっていないことが多くなっているため、時効が成立してしまっていないかしっかりと確認をする必要があります。

現在も引き続き返済を続けており、債務整理手続きの中で返還請求を行う場合には、返済により常に時効が更新されているため、問題なく返還請求をすることができる場合が多くなっています。

 

●倒産してしまっている貸金業者からは返還請求ができない
貸金業者が倒産してしまっている場合には、返還請求をすることができません。
もっとも貸金業者の中でも有名なレイクやアコムなどは、現在銀行系列となっているため、引き続き返還請求をすることが可能となっています。

 

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